論文の英文校閲等もそうだが、どのような人が添削を行っているのかは、採択率に直結するため非常に重要である。添削を行っている業者や団体の中には、学生の他、研究経験や科研申請経験がないアルバイト・パートに、簡単な研修を受けさせることで、添削を行わせている場合もあるので注意が必要である。
科研の申請書は「素人が読んでも分かるように書くこと、実際に素人に読んでもらうと良い」とよく言われるが、どうやったら素人にも通じるように書くことが可能なのかを、学生やアルバイトが的確に指摘するのは難しいだろう。

あくまでも私の主観ですが、私の経験を踏まえて、検討に値するであろう専門の業者・団体、個人事業者の一覧を記載しました。

専門の業者および団体

1. 科研費の申請のプロであるURAによる添削サービス|科研費の添削.com

旧帝大を始めとする全国の大学や研究機関に所属し、毎年数百から数千の申請書の添削を行っているURAによる申請書の添削サービス。URAの全国組織である「一般社団法人 全国URA科研費申請支援機構」の科研費申請支援チームが主催する。研究者個人および法人のどちらの申し込みにも対応している。URAの多くは「博士」の学位保有者であり、科研採択実績者も多数いる。様々な専門領域のスタッフがおり、高い技術と豊富な経験に裏付けされた科研費申請のプロならではの他にはない高品質な添削を低価格で提供している。

2. ロバスト・ジャパン(ROBUST JAPAN)

大学や企業等の法人を対象としており、研究者個人の申し込みによる申請支援は行っていない模様(私が申込方法を見つけられなかっただけかも知れません)。添削実績数(2019年度:1034件)は多いが、その割には従業員数(20名)が少ないように感じる。実際の添削をどのような人が行っているのかは不明である。

【(2021年)情報を追加】

ロバスト・ジャパンの業務内容は、「シェア・オフィス運営、カフェ運営、イベント企画」のようです。また、過去の求人情報より、添削のためにパートに研修を受けさせて利用しているようです。私は添削を受けたことはありませんが、情報を見る限りでは、注意が必要かもしれません。

参考:求人情報(PDF)

個人事業者

3. ココナラ - みんなの得意を売り買い スキルマーケット

「知識・スキル・経験」といった得意を売り買いできるスキルマーケットを運営する「ココナラ」に登録されている個人事業者。個人のスキルや経歴、添削にかかる費用等は様々である。低料金で提供している個人事業者もいるが、添削の質で採択率が大きく変わってくるため、どの人にお願いするかの選定が重要である。

4. 科研費.com | 学振・科研費などの書き方のコツを教えます

科研費に関する情報を掲載したサイトを運営する個人事業者が申請書の添削を行っている。専門分野は生物科学となっている。運営は匿名で行われており、経歴等のプロフィールを参照することができないため、専門領域が生物科学に合致するかどうかが重要である。